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伊勢志摩地方の文化に触れ、星空に癒される 二泊三日のワーケーション

モデルプラン

2022.5.30

「志摩の自然とSDGsを学ぶ」絶景ホテルワーケーションプラン

伊勢志摩地方の文化に触れ、星空に癒される 二泊三日のワーケーション

三方がリアス式の海岸となっており、穏やかな英虞湾は真珠養殖の産地。温暖な気候で育まれた森林、エメラルドグリーン色の海など、美しい景色が広がっています。

今回は、三重県出身のライターである私と京都出身のデザイナーの友人の二人で、伊勢志摩を訪れました。実は単なる旅行ではなく、ワーケーションが目的。いつもと違う環境で仕事をすることで、面白いアイデアが浮かんだり、リフレッシュができると、これまでも奈良や広島、京都北部などに訪れています。伊勢志摩ではどんな体験ができるのか、とっても楽しみです!

1日目:満天の星空で仕事の疲れを癒す

私たちが住む京都から、電車に揺られて伊勢志摩へ。久しぶりの旅とあって、それだけで何だかうれしい気持ち。お互いの近況を話していたら、あっという間に賢島駅に到着しました。

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今回はホテル送迎のバスやレンタカーで移動し、伊勢志摩エリアをめぐります。車で走る道すがら見えるのは、伊勢志摩のおだやかな海の景色。キラキラと光る海の水面に、心が癒されていくようです。

今回宿泊するのは、伊勢志摩国立公園内に建つ「都リゾート アクアフォレスト奥志摩」。広い敷地内には、自然豊かな散歩道や海を一望できる展望台などもあり、時間を忘れてゆったりとした時間が過ごせそう。

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今回は本館ではなく、仕事をするための環境が整っているコテージに宿泊。延長コードや、手元を照らすライト、高さが変えられる机など、「あるとうれしい!」設備が揃っています。もちろんWi-Fiもバッチリ完備。

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「早く遊びにいきたい!」という気持ちをおさえて、まずは仕事に取りかかります。明日から心置きなく楽しむためにも、頑張らなくてはと気合が入ります。「今日中に原稿を書き上げる!」と宣言する私に、「私も頑張るよ!」と友人。お互いに励まし合って仕事に取り組めるのも、ワーケーションのいいところ。

3時間ほどしっかり仕事に集中したら、すこし休憩。コテージから歩いて10分ほどのところにある、「岬の展望台」まで散歩することに。

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たくさんの木々や植物が生えている茂みの道を、展望台へ向かって歩いて行きます。京都ではあまり見かけない植物たち。調べてみると、伊勢志摩地方は温暖な気候のため、日本の西南地域で見られる広葉樹や植物などが育つそう。何だか、ジャングルに来たような気持ち。そんなことを思いながら道をどんどん歩いていくと、目の前には美しい英虞(あご)湾が…!海が大好きな友人はとても感激した様子。

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早起きして朝焼けを見るのもいいかもしれない。少しばかり仕事のことは忘れて、リラックス。エメラルドグリーンの海を見つめているだけで、心が次第にほどけていきます。

すっかり海に見とれてしまい、気づくと1時間も経過していました。「これはまずい!」と急いでコテージに戻り、夜まで集中して仕事に取り組むことに。他にも色々と散策したかったけれど、今日は我慢。

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ホテルから出発して、英虞湾をクルーズ船で周遊する「遊覧クルーズ及び体験プラン」を楽しむこともできます。

気がついたら日も暮れて、夕食の時間。もう少しで終わりそうだったけど、お腹がペコペコで力がでない。
「明日の朝、頑張ろっか」なんて言い訳をして、今日の仕事はこれにて終了です。

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待ちに待った夕食は、海の幸を味わえるホテル内のバイキングレストラン「はまなぎ」へ。

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伊勢志摩の海の幸、揚げたての天ぷら、目の前で焼いてくれるステーキなど、およそ40種類の和・洋・中の料理の数々。これがバイキングで楽しめるなんて…!なんと、てこね寿司や伊勢うどんなどの郷土料理も楽しむことができます。友人は大好きなお寿司、私は海の幸のドリア…と、それぞれに好きなものをチョイスできるのもうれしいところ。

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お腹がいっぱいになったところで、屋外施設「天文館」へ。直径50cmの本格的な大型天体望遠鏡があり、星空を観測することができます。このホテルにした理由の一つが、この場所。実は生まれて初めての天体観測。とっても楽しみにしていたんです。

案内してくれたのは、星マニアのスタッフさん。「あれは一番明るい恒星、シリウスですよ」と、星の名前やエピソードなどを丁寧に教えてくれました。

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なんとこのとき、運良く彗星を見ることができました。感動した私たちは、もっと星をたくさん見たいと、ホテルから車で3分ほどの「桐垣展望台」へ。

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最初は「きれい!」とはしゃいで写真を撮っていた私たちも、真っ暗な静寂の中にきらめく星に魅せられて、次第に言葉が少なくなります。まさしくこれが「星が空から降ってくるような」景色。ありきたりな言葉になってしまうけれど、これが本物の贅沢なのだなと感じました。

2日目:志摩の文化や産業に触れ、理解を深める

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二日目の朝は、再びバイキングレストラン「はまなぎ」へ。朝食ももちろんバイキング。パン派でもごはん派でもどちらも楽しめるラインナップです。私のお目当ては「かつおの出汁茶漬け」。美味しく味わうために、出汁は食べる直前にかけるのがポイント。あおさのだし巻き卵と干物、お味噌汁と一緒にいただきます。こんなに健康的な朝ごはんは、久しぶり。

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朝食を食べたあとは、テラスでコーヒーを飲みながら昨日の仕事の続きをスタート。時折聞こえる鳥のさえずりがちょうどいいBGM。観光に出かけるためにも、ぐっと集中して仕事に取り組みます。

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「ようやく仕事が終わった!」と時計をみると、すでにお昼の時間。お昼ご飯を食べるために向かったのは、ホテルから車で20分ほどの場所にある「海女小屋体験施設 さとうみ庵」。ここでは現役の海女さんが伊勢志摩の海で採れた海の幸を焼いて、おもてなしをしてくれます。

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サザエや貝が焼けるのを待つ間、海女の仕事についてお聞きすると、「私は海女の仕事が楽しくて、仕事が嫌になったことは一度もないんよ」と笑顔で答えてくれました。アワビやサザエなどを収穫することが楽しいし、何より自分で頑張った分の成果が目に見えるとうれしくなるのだそう。

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海女になって、今年でおよそ50年。「中学を卒業してから、ずっと海に潜っているの。定年がないし、個人事業主のようなものだから気楽なのよ」と、海女さん。なんと2年ほど、アメリカのサンディエゴで「観光海女」として働いていたこともあるんですって!友人も同じ場所に留学していたこともあり、サンディエゴの話でひとしきり盛り上がりました。

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そんな話をしているうちに、焼き上がったのはサザエと、黄色やピンクのアッパ貝。アッパ貝はすぐ近くの英虞湾で養殖されており、小ぶりだけれど濃厚な味わい。目の前の海を眺めながら食べる海の幸は最高です。

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かますの干物、スルメイカなど海の幸に舌鼓をうっている間に、ひじきの釜飯が炊き上がります。シンプルな味付けの釜飯は、ひじきの旨味がより感じられます。これも新鮮な魚介類だからこそ、感じられる味わい。改めて海女さんに感謝を伝えます。

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お腹いっぱいになったところで、さとうみ庵の目の前に広がる海へ。せっかくだからと、裸足になってアーシング。久しぶりに直で触れる砂の感触。一歩づつ砂の感触を確かめながら、海へと近づいていきます。広大な海をみながら、しばし心癒される時間を過ごしました。

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続いては、さとうみ庵から車で5分ほどの場所にある「パール美樹」へ。ここでは、真珠の加工体験をすることができます。

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まずは加工場のすぐ近くにある養殖いかだへ。海からあげたばかりのアコヤ貝の中から、専用のナイフを使って真珠を傷付けないように、取り出します。初めての体験にすこし緊張。

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生まれたての真珠はとても美しく、光に反射する部分はオーロラ色のよう。真珠といえば「純白」のイメージが強かったのですが、私の取り出した真珠はややシルバーがかった白、友人の真珠はゴールドがかった白。こんなに個体差があるんだと、びっくり。本来はこのように個体差があるため、アクセサリーなどに使われる真珠は調色され、均等な色になるのだそう。

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取り出した真珠を持って加工場へ。私と友人はネックレスに加工することに。他にも指輪、ピアス、ストラップなどに加工することが可能です。家族や友人へのお土産にしても良さそうですね。

真珠に穴を開けるなど難しい工程は、お店の方が行ってくれるため安心です。選んだパールに接着剤を塗り、固定させます。約1時間ほどで完成!

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加工場には、「真珠養殖は自然との戦い」という文字が書かれていました。真珠ができるまでに長くて4年。1〜2年手をかけて母貝を育て、核となる玉を入れたあとは、10日ごとに貝についた海藻などを掃除します。手をかけて大切に育てた貝が台風や赤潮の影響でダメになってしまうこともあるのだそう。

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そんな話を聞くと、手のひらにある真珠がいっそう愛おしくなります。たくさんの苦労を乗り越えて私の元に来てくれた真珠、大切にします!

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日没に合わせて、昨日星を眺めた「桐垣展望台」へ。夕陽に染まる海を眺めながら、海女さんの話や、真珠の加工場の方の話を思い出していました。

真珠の養殖も海女の仕事も、代わりのいない唯一無二の仕事。私たちのもとに海の幸が届くこと、誰かの首元を飾るアクセサリーが出来上がること。改めて海の仕事に関わる人へ、尊敬の念が湧いてきました。

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今日は仕事に、観光にと忙しい1日だったので、ホテルに戻って館内の温泉へ。旅と仕事の疲れを温泉で癒し、ぐっすりと眠ることができました。

最終日:ワーケーションを通して、見えてきたもの

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最終日は、ホテルから車で10分ほどの場所にある「かつおの天白」へ。こちらでは、昔ながらの「手火山製法」でつくるかつお節の燻し小屋見学ができます。

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かつお節を作る工程は大きく分けて4つ。

①生の切り身を三枚に下ろす
②切り身を煮沸し、腐敗から守る
③魚質を見極めて、切り身をいぶす
④発酵させる

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現在は「燻(いぶ)す」「発酵」のみ行っていますが、20年ほど前までは朝3時に起きて、魚を切ることから仕事が始まったのだそう。とはいえ、「燻す」工程も骨が折れる作業。毎日1時間〜2時間薪を燃やし、火入れをします。
一晩冷却させたら、次の日にまた火を入れていぶす。魚によって個体差があるため、自分の手で薪の量やいぶす時間を調節します。それをおよそ1ヶ月繰り返します。
これを手火山製法というそうです。

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かつお節で煮出したお出汁をいただくと香ばしい香り。一口ふくむと、お出汁の甘みがいっぱいに広がります。透明でにごりのないきれいな色。
京都の有名料亭の料理人、三つ星ホテルのシェフなども天白のかつお節の魅力にはまり、随分と長い付き合いなのだそう。また地域や料理ごとに火入れの仕方を変えることもできるため、オーダーメイドのかつお節がつくれるのだそう。
それも、手火山製法をつらぬく天白だからできること。

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このようにして職人の技と忍耐で作られるかつお節。奈良王朝の時代から朝廷への献上品として重宝されていただけでなく、今なお伊勢神宮とは深いつながりがあるのです。

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そんなお話を真剣に聞いているうちに、お腹がだんだん減ってきました。ようやくお待ちかねの試食タイム。
土鍋で炊いたご飯の上に贅沢にかつお節をかけていただき、お醤油をひとまわし。あたたかいご飯の上で踊るかつお節。良い香りが漂ってきて、たまりません!
口に入れると、濃厚なかつお節の味わい。こんなにおいしいかつお節ご飯を食べたのは、生まれて初めて。

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これは絶対家でも食べたい!と3袋も購入してしまいました。ここのところ毎日、かつお節ご飯ですが、飽きる気配はありません。もっと買っておけばよかったな。

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改めて、伊勢志摩の魅力を感じた二泊三日のワーケーション。この場所に初めて訪れた友人は「これまで知らなかった土地だけれど、大好きになったよ」と言ってくれたので、三重県出身である私は何だか誇らしい気持ちになりました。

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けれど私も友人同様に、海女さんの仕事や、真珠の養殖、かつお節と伊勢神宮のつながりなど、たくさんのことを知ることができました。この土地で長きにわたり、やりがいと誇りを持って働く人たちと出会うことができた旅。

仕事をしながらも、癒しのロケーションと海の幸を満喫できる伊勢志摩エリア。ぜひ、興味を持たれた方は足を運んでみてくださいね。さぁ、今度はどこに行こうかな。

<過ごし方の一例>

【1日目】
10:45 賢島駅発(ホテルシャトルバス)
11:10 ホテル着(レンタカー手配)
11:30 軽食
12:30 コテージで仕事
15:00 「岬の展望台」へ散歩
16:00  コテージで仕事
19:00 「はまなぎ」で夜ご飯
20:00 屋外施設「天文館」で天体観測
21:00 「桐垣展望台」
21:30  ホテルへ戻り、入浴、就寝


【2日目】
08:00 「はまなぎ」で朝ご飯
09:00 コテージで仕事
12:30  「海女小屋体験施設 さとうみ庵」で昼食
13:30 さとうみ庵の前に広がる海へ
14:30 「パール美樹」で真珠加工体験
15:30  周辺を散歩
17:30 「桐垣展望台」で夕陽を眺める
19:00 「はまなぎ」で夜ご飯
21:00 「桐垣展望台」
21:30 ホテルへ戻り、入浴、就寝

【3日目】
08:00 「はまなぎ」で朝ご飯
11:00 「鰹の天ぱく」へ
14:00 賢島駅着(レンタカー返却)
      ワーケーション終了

<施設紹介>

都リゾート 奥志摩 アクアフォレスト
三重県志摩市大王町船越3238-1(伊勢志摩)
TEL:0599-73-0001

都リゾート 奥志摩 アクアフォレスト

桐垣展望台
三重県志摩市大王町波切2199

桐垣展望台(伊勢志摩観光コンベンション機構ウェブサイト)

海女小屋体験施設 さとうみ庵
三重県志摩市志摩町越賀2279
TEL:0599-85-1212

海女小屋体験施設 さとうみ庵

パール美樹
三重県志摩市志摩町御座65-1 
TEL: 0599-88-3592

パール美樹

かつおの天ぱく
三重県志摩市大王町波切2545-15
TEL:0599-72-4633

かつおの天ぱく

ライター情報

ミカミ ユカリ

三重県津市(山の方)出身のフリーライター。18歳で三重を飛び出し、名古屋で12年美容師として働く。さらに新しい可能性を探して関西へ移住。現在は京都暮らし。様々な土地に住んだことで、昔は当たり前に感じていた三重の美しい自然豊かな景色をいとおしく感じるように。今の私にとってかけがえのない癒し。